塗装の回数はなぜ3回もするの?
塗装の回数を少なくすれば、安くできるの?
ご依頼される方の立場になれば、そのような質問があってもおかしくありません。
実際、安くしたいから回数を少なくしてほしい!など、希望されるお客様もいらっしゃいますね。
確かに、回数を少なくすれば若干お安くすることができるでしょう。しかし、必要な工程を省いた施工では、塗装の役割を果たすことができていません。
そこで、少し塗装の手順について、ご説明します。
外壁塗装の基本:3回塗り
~下塗り・中塗り・上塗りの役割と必要性~
外壁塗装の塗りの回数は、1層目(下塗り:1回)→ 2層目(中塗り:1回)→3層目(上塗り:1回)の3回塗りが基本といわれています。
1層目(下塗り:1回)
2層目(中塗り:1回)
3層目(上塗り:1回)
イラストの色は関係ありません。イメージイラストです。
場合によって、4回のときもあります
しかし、例外もあり、必ず3回だから良い、というわけでもありません。
外壁の痛みがひどい場合は、4回以上塗ることもあります。
下塗り
外壁の小さなひびや凹凸などの劣化を補修し、
外壁に塗膜をつくることで外壁を守り、防水効果を上げ、外壁と中塗り上塗りを密着させる役割
中塗り
雨や風・紫外線から外壁を守り、美観を作る役割
上塗り
基本的に中塗りと同じ役割となる。中塗りだけでは塗りむらや塗り残しがあるため、機能面が弱くなりがちになるので、上塗りの工程で、塗膜を厚くし、塗装の耐久性を向上させることができます。
1層目:下塗り ☆役割は重要です☆
塗装されていない外壁というのは、水に弱く水分を吸い込んでしまいます。ということは、雨も吸い込みますし、塗料も吸い込んでしまいます。
水分を含むと劣化の大きな要因となります。
それを防ぐために、1層目の下塗りをする必要があります。
下塗りは、外壁が水をはじく状態にするために必要です!
塗料の各メーカーごとに、外壁が水分を吸い込まないようにするために、下塗りは××ミリ以上という基準もあります。
下塗りをしっかりしないと、中塗りなどいくら塗ったところで、外壁に吸収され、塗膜の厚みを確保できないので、できあがりとして外壁が水をはじく状態にすることはできていません。外壁の痛みがひどい時は、この外壁の上にしっかりした塗膜をつくるためには、下塗りを2回しなければならないこともあります。
その時は4回塗りが良い場合もあるということになりますね。 外壁が水分を含まない膜をしっかり作るように下塗りをすることが、大切です。
2層目:中塗り
下塗りの次工程は、中塗りです。これは、塗装の完成色を使用して塗装していきます。
しかし、外壁を、完成色で1回塗っただけできれいに仕上がるということはありません。中塗りの段階だけでは、塗りむらや、塗り残しがあり、また、中塗りの工程まででは外壁を保護するために必要な塗膜の厚さを確保することができません。
3層目:上塗り
中塗り後に行う工程は、上塗りです。仕上げとして行う塗装となりますので、中塗りの工程での塗りむらや塗り残しも、最後の上塗りの段階で、表面をきれいな状態に仕上げていきます。さらに、中塗りと上塗りという完成色での工程を2回行うことで、塗膜に厚みをつけるためです。外壁に密着させる塗料の層を厚くすることで、塗膜が厚くなり、塗装の耐久性を向上させることができます。
まとめ
基本は3回、外壁の状態にあった塗装回数が大切
この各段階の塗装の意味を理解すると、安いばかりが良いのではなく、外壁の状態に合った、塗料の種類に合った塗装がなされていることが、これからの傷みを防ぎ長持ちするためには必要だと、ご理解いただけます。